感情のコントロールができず、癇癪(かんしゃく)を起こす子ども。

 

自分の思い通りにならなくて、泣いたりわめいたり。

いつまでもくよくよしていて、部屋の隅っこでひとりで傷ついている様子だったり。

 

気持ちは解るけれど。。。

 

子どもなら誰にでもあることだけれど、そばにいるご両親は大変ですよね。

まして発達障害&グレーゾーンの子であれば、「感情のコントロールが苦手」という特性を持ち合わせている子も多い。

 

そういうときはどうしてあげたらいいのでしょうか?

親としてどう接したらいいのでしょうか?

 

 

 

怒りとは「困っている」状態。感情のコントロールが苦手な子どもは困っている

かんしゃくを起こす子ども

 

知識も少なく心も未熟な子どもにとって、感情のコントロールは大人が思っている以上に難しいものです。

 

誰でも怒ることはありますよね。

一度も怒ったことのない人なんていないでしょう。

 

この「怒る」というのは「困っている状態」なのです。

人は、自分にとって困った状態になると怒るのです。

 

つまり、「何に困っているのか」を見つけてあげることが怒りを解消する近道となります。

わが子が困っているのなら、少しだけ手助けをしてみてもいいのでは?

 

対処法や対応の仕方を、段階を追って考えてみましょう。

 

まずは自分が落ち着こう。子どもが感情的になっているときほど、自分は感情的にならずに。

子どもが感情的なっているときほど、自分は落ち着くように意識しましょう。

怒りの感情同志をぶつけあえば感情的になり、お互い引くに引けなくなります。

 

冷静になれないときは・・・

「感情的にならずに冷静に対応する」ということは、一番大事ですが一番難しいことです。

物事にはどうしようもないこともありますし、大人には理解できない理由で怒ってしまっている場合もあります。

 

意見を聞き入れてあげたくても、どうしても親子で主張がぶつかる状況だってでてくる。

最初は冷静に対応していても、長引けば大人もイライラ感がつのってくる。

 

親も人間ですから、言い合いになれば感情が高ぶって必要以上に責めてしまう、なんてことも起りえます。

しかし、わが子を責めてたててしまえば、必ずといっていいほどあとで後悔しますよね。

 

まず自分自身の感情をコントロールすることから始めてください。

  • 深呼吸をする
  • いったん別の部屋に行く、など

 

私の場合、いったん直面している問題を放棄してしまいます。

何だっていいや、あとで考えよう、と無理やり思い込みます。

 

多少予定が狂っても、帰る時間や寝る時間が遅れたとしても死にはしません。

やってみると意外と何とかなるもの。

 

わが子の情緒を育てることの方が大事です。

 

自分なりのクールダウン法を探し気持ちを落ち着かせてから、子どもと接するようにするといいです。

 

 

自分の話を聴いてもらうためには、相手の話を聴くことから始める




 

冷静に対応できそうだとご自分で判断できるくらい落ち着いたら、次は子どもの気持ちを落ち着かせるようにしましょう。

 

いろいろ言いたい気持ちはグッとこらえ、まずは子どもの言い分から。

いったん思っていることを吐き出させます。

 

ここで肝心なのは、拒否の姿勢はまだカケラも見せないことです。

たとえ無理難題だろうと、アホなこと言うな~など心の中で思っていようと、何も気取られてはいけません。

 

あなたの言っていること解るよ~、という態度を貫いてください。

一度その子の心を受けとめてあげることで、そのあとの流れが格段にスムーズになります。

 

表現できなかった子どもの心の声を言葉にしていこう

 

  • 子どもの言葉を否定せず、肯定する言葉を使うようにする
  • 返事をせかさないようにする

 

その2点に気を付けて質問しながら、子どもの心の声を聴いていきます。

 

  • 何で怒っているのか
  • 何が嫌なのか
  • 誰に(何に)対して怒っているのか
  • どうしたかったのか
  • それは何故そうしたいのか

 

少しずつ、少しずつ。

子どもの反応を視ながら、聴いていきます。

 

子どもは自分でも何に怒っているのか、なんでイライラしているのか、がイマイチ分かっていないことが結構あります。

よくよく聴いてみると、怒ってはいなくて淋しかっただけだった~ということも。

 

一緒に言葉にしていくことで、自分で自分の感情に気付いてもらうという効果もあるのです。

 

この経験を何度も繰り返すうちに、自分が「何に対して」「どう感じるのか」が本人にも分かってくるのです。

そうすると、次に似たような状況があればトラブルを回避することも可能になってきます。

 

理由が分かればどうする?こちらの意見を聴いてもらえるようにするには?

質問をしていき、これかな、と思われる反応をしたら最大のチャンスです。

 

子どもの感じたことは否定せずに、

「そっかぁ。そうだったんだねぇ」

「〇〇はそう思ったんだね」

と、気持ちを受けとめてあげます。

 

そのあと、やんわりと自分の考えを伝えましょう。

あくまでも押し付けにならないよう「お母さんはこう感じた・こう思った」と伝えます。

 

同じ目線で、同じ困ったものどうしで。

 

「これからどうしようか」

解決策を一緒に探そう? というスタンスです。

 

一方的に押し付けず同じラインにたっている親の姿勢を見ると、子どもは落ち着いてくることが多いですよ。

 

誰でも自分の気持ちを理解してもらえたり、話を聞いてもらっただけであってもスッキリしますよね。

子どもだって、案外それだけで満足することあるんです。

 

それでも落ち着かない子どもはどうする?一人になることで気持ちを静める子もいる。

それでも落ち着かない、ひとりになりたがる、意地をはってしまう、など難しい子もいます。

その場合は、しばらく好きにさせてあげるのもひとつの手です。

 

ここでも大事なことは、ご両親は落ち着いている姿をみせることです。

 

なぜなら、ここでご両親が「もういいよっ!そこでひとりで居とけばっ!」などのカッカした態度をとると、子どもは見捨てられたように感じてしまうからです。

 

そうなると、せっかく多少なりとも感じてくれた「解ってもらえてる感」は霧のように消えてしまいます。

 

ここまでの苦労が水の泡ですね。

もったいないです。

 

グズッている声も刻一刻と過ぎていく時間の方も気になるところですが、もうしばらくの辛抱です。

しばらく間をおいた方が素直になれる子、結構多いのですよ。

 

 

理由が分かれば解決の道も見えてくる

笑顔のママと子ども

理由が分かれば、解決までの道はもうすぐです。

 

思い切って、聞き入れられるところは聞き入れてしまいましょう。

少し面倒でも、その方が結果的には早くコトが済んでしまうかもしれません。

 

こちら側も意地になり要求を聞き入れずにいると、癇癪(かんしゃく)が長引き余計に面倒なことになるのですから。

 

急がば回れ。

この言葉は、真実です。

 

子どもは思い通りにならないもの、と心に刻みましょう。

 

怒るのも泣くのも、理由が必ずあります。

子どものそれは、大人がまったく思いもつかないことだったりします。

 

発想力が素晴らしいんだな、と良いように考えれば腹を立てながらも許せちゃいます。

 

こうだと決めつけずに、きちんと話をきいてあげましょう。

子どもの心にある、もやもやっとしたものを理解してあげるように接することが最善策です。

 

どうしても叶えてあげられないときは?

危ないことや無理難題、こちらの都合で叶えてあげられないものは、毅然とした態度きっぱり断りましょう。

 

子どもは利口です。

 

いつまでも大人が迷っていたりあやふやな態度をとっていたら、「もう少し駄々をこねたらイケるかな」と期待をしてしまいます。

 

ダメなものはダメ、とはっきりとしていれば子どもとしても諦めがつきやすいのです。

ただ、その場合も、感情丸出しで怒鳴ったりすると、これまた今までの苦労が水の泡。

 

出来ない理由を、落ち着いた声で伝えてあげます。

子どもの年齢に合わせて、できるだけ解りやすいように声をかけてあげてください。

 

子どもの心は純粋なのです。

 

ただただ、「そうしたい」だけで、怒らせる気も困らせる気も全くないのです。

 

その純粋さも、好奇心旺盛なのも、とても良いことです。

叶えてあげたいけれど無理なの、ごめんね。という気持ちを忘れずに。

 

 

今日の処方せん

  • まだまだ未熟な子どもにとって、感情のコントロールは大人が思っている以上に難しいもの。
  • 冷静になれないときは、自分なりのクールダウン法を探し気持ちを落ち着かせてから、子どもと接することを心がける。
  • まず、その子の心を受けとめてあげることで、そのあとの流れが格段にスムーズになる。
  • 表現できなかった子どもの心の声を一緒に言葉にしていくと、本人も自分の感情を認識しやすくなる。
  • こちらの意見を聞いてもらえるようにするには、子どもが感じたことは否定せずに受けとめ、同じラインにたって一緒に解決策をさがす。
  • 一人になることで気持ちが静まるタイプの子なら、しばらく好きにさせてあげるのもひとつの手。
  • 怒りとは「困っている状態」。何に困っているのか見つけだし「一緒に考えること」が解決への最速の道。