子を持つ親なら誰だって、わが子のことが気になりますよね。
毎日考える必要があって、なおかつ健康に直接影響のある食事には、特に気を配り栄養バランスや献立を考えます。
でも、発達障害やグレーゾーンの子だと、偏食になることが多いもの。
お母さんせっかく料理を頑張ったのに、ろくに手も付けずに
「これ嫌だぁ」
「これ要らないー」
なんて子どもに言われてしまうと本当にツラい。
どんなにレシピを工夫しても説得を試みても食べてくれない。
少しずつでも我慢させて食べさせた方がいいのか?
それとも好きなものだけ食べさせてあげたらいいのか?
どうしたらいいのかわからず、心も折れそうになることもあるでしょう。
でも、しないわけにはいかないお料理。
感覚過敏のある子の食事にはどう対処したらいいのでしょうか?
料理をする気になれない!感覚過敏で偏食をする子にどう対処する?
子育ても料理も少しは力を抜きましょう。
お母さん、毎日お料理頑張っているんですよね。
きっといろんな工夫をしたでしょう。
ここらへんで、少し力を抜きませんか?
お野菜が食べれなくても死にはしません。
果物が無理でも大丈夫ですよ。
多少ビタミン不足になるかもしれませんが、人間の身体は強い。
力のもととなるお肉やお魚。
苦手で避けている子もいるでしょうが、食べないことで力が全く出ないなんてことはないでしょう。
子どものことを気にかけるのは親として大切ですが、ほどほどにしないと親御さんも子どもも疲れてしまいます。
感覚過敏は好き嫌いではない、ということも理解しましょう。
- 栄養のあるものを食べさせたい。
- 栄養バランスのよい食事にしてあげたい。
- いろんな食材の美味しさを知ってほしい。
その気持ちは痛いほど解ります。
ですが、感覚過敏のある子にとって食べ物は「好き嫌い」ではなく「食べれるか食べれないか」なのです。
本人にもどうしようもない、ということを理解してあげてください。
こちらの都合よりも本人のペースを尊重してあげることって、子育てでは本当に大切です。
食事の時間が嫌になってしまっては、食べれるものさえ喉を通らなくなってしまいますよね。
もったいないです。
意外と、ふとした瞬間に興味を持ってくれることも。
お友達と一緒のとき、給食ででたとき、気持ちが前向きなとき。
子どもに限らず人は誰でも、ふとした瞬間に興味をもち「チャレンジしてみよう」と思えるときがあります。
何度もしつこく「食べよう」と誘うより、食卓に並べるときに一度だけ「食べる?」と声かけをするぐらいの方が良いです。
そのあとは無理強いをせず、あっさりと家族とは別メニューを並べてあげましょう。
いつかどこかの時点で、挑戦する勇気が湧く瞬間が必ず来ます。
「その瞬間」は何年も先になるかもしれませんし、一度では考えを変えられないこともあります。
自分の子どもを信じる『強さ』をあなたも持ってください。
子どもへの厳しい食事指導は悪い結果をもたらすことも。
感覚過敏のある子は、自分にとって受け入れがたい食べ物をどんなに他人から勧められても意固地に断ります。
「食べられなかった」経験から、一種のトラウマとなってしまっているのですね。
大人が意地になって叱って食べさせても、「嫌だ」という気持ちが強くなるばかり。
無理やり口に詰め込もうものなら、眼に涙を浮かべ「オエッ」と吐きそうになりツラい思いをさせるだけです。
そんな経験を通して食べたものなど、誰も「美味しい」なんて思えませんよね。
無理強いをすればするほど、ますます偏食になっていってしまうんです。
感覚過敏のある子どもが成長すると?
無理強いはしない方が良い、といってもあまりにも偏食がひどいと栄養面や体調への影響などを考えるとご両親は心配になるでしょう。
でも、同じ状況がずっと続くわけではありません。
成長するとともに、食べられるものは必ず増えます。
苦手だった匂いや触感が気にならなくなったりすることも多くあります。
あまり心配し過ぎず、その子の様子を見ながら健康面を考えてあげてください。
集団では食べる、家では食べない?
実は、家庭では食べていなくても保育園や学校の給食では食べている、ということも結構あるんです。
その場合、給食のような集団行動では甘えが許されず一口だけは食べてみたり、お友達の手前平気なフリをしてみたり、と本人なりに精一杯気をはり頑張っているのかもしれません。
こんなちょっとした場面でも、小さな子どもは一生懸命にこの世界で生き抜く術を少しずつ学んでいるのですね。
身体だけでなく心も成長する子ども時代。
- お友達と一緒におしゃべりしながら食べている間に思わず口にしたものが予想外に美味しかった
- 「一口だけ頑張ってみよう」という声に励まされて食べてみたことで勇気がわいてきた
など、生きているといろんな事が起こりますよね。
小さく見えても、子どもは確実に成長していきます。
そしてそれは目に見えてわかりやすい身体の成長だけでなく、目には見えないけれども、「心」もちゃんと大きくなっているんです。
今何とかしなきゃ、とお母さんがストレスを抱え込むよりも、『食事の時間は楽しいもの』というイメージを持ってくれるように心がけること。
そして、「いつかのそのタイミング」を気長に待ってあげること。
その2つを忘れないようにしましょう。
今日の処方せん
悩みも苦労も絶えない子育て。
みんなにあてはまるような正解なんてない。
それでもやっとたどり着いた私なりの答えがあります。
それは、「子育てって、もう少し気楽に楽しんでみたほうがうまくいく」ということです。
コツは「まぁいいかぁ」と思うことを増やすこと。
それから、心から笑うということ。
『怒らない食事時間』をつくって子どもを安心させてあげてください。
子どもは心から笑っているお母さんが好きです。
お母さんの笑顔を見ると、不安な気持ちも和らぎ、ときには挑戦するパワーもでてくる。
親も子も、心から笑える環境でいる。
それって実は、子育て中のあらゆる悩みに対する一番の解決策なのではないでしょうか。
育児中は苦労の連続ですが、今まで肩に入りまくっていた力を少し抜き、気楽に子育てを楽しんでみませんか?