「何回言ってもやらない」
「ひとつひとつに時間がかかる」
子育てをしていると、毎日のようにそう思いませんか?
特に、子どもがまだ小さいとまったく理屈が通じません。
大人の都合などお構いなしに好き勝手に遊んでしまう。
何かをしている途中で別のことをしてしまって物事がスムーズにいかない。
ADHDやASDなどの発達障害をもっている子の場合だと、毎日どころか一日に何度も出くわす場面です。
その度に何度も「はやくしなさいっ!」と怒鳴ってばかりだと親も疲れてしまいます。
本当はいつでも笑いあっていたい大切な家族。
どうしたらうまくいくのでしょうか。
ADHDの忘れんぼう対策や子どもへの接し方をお伝えしていきます。
気が散りやすく忘れっぽいADHDの子。対策と上手な接し方は?
ADHDの子は、気が散りやすく、興味関心があちこちに移ってしまうといった特性があります。
コレ、親としてはほんっとに困っちゃいますよね。
何かをしている最中でも別のことに気を取られて、そのまま他のことを始めてしまう。
言われたことをやろうと思っていても、頭では他のことを考えていてすぐに忘れてしまう。
これは、脳内での多動とも言えます。
その特性を理解して、本人の生きやすいようにサポートをしてあげましょう。
ご両親も子どもも感情的にならずにすむように、忘れんぼうな子どもへの対策、そして接し方のコツもつかんでいきましょう。
忘れない対策―文字や絵にして「見える化」しよう
いちばん簡単でいちばんうまくいきやすい方法が、やるべきことを見えるようにするということです。
ご自宅の壁や、冷蔵庫、スペース空いていませんか?
やるべきことをリストアップして、貼ってしまいましょう。
長々と書くよりは、『大きな文字で短めに』が基本です。
子どもの発達には個人差がありますが、だいたい4歳頃にはひらがなに興味を持ちだしますよね?
早ければ読める子もいるでしょう。
もしまだ読めなくても、イラストや写真を一緒につけてあげればいいんです。
文字に興味を持てないでいる子もイラストなら大丈夫。
絵の得意なお母さんなら描いてあげてもいいかもしれません。
きっと大喜びしますよ。
「これ、ママが描いたんだよねーっ」と事あるごとににこにこして話題に出す…なんてことも。
写真やイラストは、内容にあっていて見ただけで理解できるものを選ぶことがポイントです。
接し方のコツ―発達障害の子は叱られることが多い
なるべく子育ては、褒めることを意識してください。
誰でも褒められれば嬉しいし、前向きにもなりますよね?
ADHDの子に限らず、発達障害をもつ子どもは叱られることが多いものです。
本人が努力していても、特性を理解されずに叱られたり。
これからの生活で大切なことなので注意されたり。
理解しているはずのご両親でも、思わず感情的に怒鳴ってしまうこともある。
みんな人間なのでしょうがないときもあると思うんですね。
なので、感情的になっていない何でもないときこそチャンス!!
小さなことでもすぐ褒める、を意識して接してみましょう。
普段から褒める習慣をつけて、いざというときにも「叱る」のではなく「褒める」ができるように。
いうことを聞いてくれなくて怒鳴りたい気持ち、わかります。
ですが、怒ってもいいことはありません。。
私も何度も身をもって経験しています(笑)
自己肯定感を育てる子育てを―『褒められるチャンス』をつくってあげる
上記の忘れない対策―文字や絵にして「見える化」は、その子の生きやすい環境をつくってあげることで『褒められるチャンス』を増やすことにもなりますね。
それでも忘れてしまっていたら、それとな~く誘導してあげるっていうのもアリですよ。
褒められると、自分がきちんと認められていることを感じて自己肯定感が育ちます。
自己肯定感がしっかりとあると、心は強くなるものです。
接し方に気をつけると発達障害の子も上手にできるように
大人は、何事も「今何をすべきなのか」をこれまでの経験で知っています。
だいたいの流れも、無意識のうちにイメージとしてあるんですよね。
しかし、子どもはそうではありません。
日常が初めてのことだらけです。
誰しも初めてのことは、なかなか出来ないものですよね。
まして子どもは1回や2回でうまくはできません。
何度も何度も経験を積み重ねてできるようになっていくんですね。
ADHDの子だって一緒です。
少し慣れるまで時間がかかっても、できることは必ず増えていきます。
ですが、その子の特性を考えて無理のないように調節してあげてくださいね。
発達障害の場合、持ち合わせた特性上どうしても無理なこと、も多くありますので。
今からいろんな経験をして大きくなっていくんだよね、とハードルを下げてあげればお互い楽になりますよ。
子どもの目線で考えてみて接し方のコツをつかんでいこう
以前私は、何度言ってもいうことをきかない子どもによく怒鳴り散らしていました。
しかし、子ども目線で見てあげればいいということに気づいてから、自分のわが子への接し方を見直してみました。
「親のいう事をきかせる」のではなく、「一緒に状況を良くしていくにはどうしたらいいのか」という考えにしてみたんですね。
そして家の中をひと工夫してみると、驚くほど私と子どもの関係が良くなっていくのを実感しました。
とはいっても、まだまだ怒鳴ってしまうことも。
怒鳴ってしまっては反省。
その繰り返しです。
私の部屋には「穏やかに」「共感」という張り紙をしています(笑)
子どもに限らず何事も、相手の目線になって接し方を考えるとうまくいくのかもしれません。
今日の処方せん
意外に思うかもしれませんが、定型発達(一般的な発達)の小学生でも「朝起きて何をするか」を頭で順序立て考えるのは難しいことなのです。
思いつくことからやってみても何かが抜け落ちてしまいます。
そのうち、別の何かに興味をひかれついつい遊んじゃうんですね。
でも、それなら見えるようにして思い出させてあげればいいんです。
人よりも多少時間がかかっても、できることは少しずつ増えていくのでゆっくりのんびり構えてあげてくださいね。