この記事を読んでいるということは、きっとあなたの子どもやあなた自身、または親しいどなたかに「発達障害なのかな」と思うような出来事が起こっているのでしょう。

あなたの大事なその人と、あなたご自身の大切な未来のために。

 

まずは、気づき理解することが大切なのです。

少しずつ、正しい知識を得ていきましょう。

 

発達障害とは?

発達障害とは?

発達障害とは、生まれつき脳の発達が通常と違っており、能力の凸凹(でこぼこ)があることを指します。

生活をしていく中で何らかの支障をきたしたり、自分が周りの人と違うことに違和感を覚え生きにくさを感じるのです。

 

 

その程度は人によって様々であり、その特性の表れ方も「10人居れば10人違う」といった具合です。

症状が重度なら、生活に支障をきたす度合いが大きくなります。

 

では軽度(グレーゾーン)ならば大したことないのか、といえばそうでもありません。

 

発達障害は別の言葉で言い換えれば、『困りごと』です。

本人にとってみれば「生きにくい・ツラい」という困りごとに、大きいも小さいもないのです。

 

それに、軽度の場合は「少し変わった人」という見方をされるだけで、なかなか「発達障害」だと気づかれにくい、という厄介さも持ち合わせています。

 

脳機能による特性だということは理解されず、周りからは「衝動的でわがまま」や「話も聞かず怠けている」などとみなされ、叱られたり呆れられたりすることも多くなるのです。

 

そうすると本人は、「なぜ自分はみんなと同じようにできないのだろうか」という悩みや劣等感を背負って生きていくことになります。

 

何度もそんな経験を重ねるうちに、自己肯定感は低くなり「自分は何をやってもうまくいかない」と何事においても否定的になる可能性があります。

 

そうならないためにも、まず本人も含め身近な人たちが「発達障害」を正しく理解し、それぞれに必要な工夫をしていくことが何より大事な一歩となるでしょう。

 

 

発達障害の主な分類と主な種類

発達障害は大きく分けて3つに分類さます。

1.自閉スペクトラム症 / 自閉症スペクトラム障害
【ASD】
Autism Spectrum Disorder

<種類>

※2018年現在はすべて「自閉スペクトラム症」の呼び名で統一

  • 自閉症障害(Autism disorder、自閉症)
  • 早期幼児自閉症
  • 小児自閉症
  • カナー自閉症
  • アスペルガー症候群(AS、AD、アスペルガー障害)
  • 特定不能の広汎性(こうはんせい)発達障害(PDD-NOS)
  • 小児期崩壊性障害(CDD)

 

2.注意欠如・多動症 / 注意・欠如多動性障害
【ADHD】Attention-Deficit・Hyperactivity Disorder

<種類>
・不注意優勢型
・多動性・衝動性優勢型
・混合型

 

3.学習障害
【LD】
Learning Disorder
または限局性学習障害
【SLD】
Specific Learning Disorder

<種類>
・読字障害=ディスレクシア(dyslexia)
・書字障害=ディスグラフィア(dysgraphia)
・算数障害=ディスカリキュリア(dyscalculia)

 

発達障害におけるグレーゾーンとは?




一般的に、発達障害における「グレーゾーン」とは、

『軽度の発達障害』
『診断はされていないが発達障害が疑われる』

という両方の場合に使われます。

 

つまり、『軽度であるために、発達障害なのかどうか判断が難しい』という場合ですね。

グレーゾーンの場合も、いくつかの障害を合併している人もいます。

特性の程度は個々で異なり、より診断されにくい原因となっているのでしょう。

 

 

 

発達障害の程度や特徴は環境によって変化する

発達障害というのは、生まれつきの脳機能の発達の凸凹(でこぼこ)です。
見ためでは分かりません。

 

そしてそれは、成長過程や環境で、特徴や表れ方もどんどん変化していきます。

 

 

子どもの頃に出来なかったことや苦手だったことが、年齢や経験を重ねていくうちに改善されることも多々あります。

 

そういう面では、定型発達(通常の発達)の人も同じではないでしょうか。

失敗や試行錯誤を繰り返し、知識を積み重ねていくことによって以前より良くなる、ということはありますね。

 

発達障害をもつ人にとっては、定型発達の人よりも「その頻度や物事が多い」という違いだけなのです。

 

誰だって苦手な物事はある。
だけど、発達障害の人はそれが多い。

 

その日常生活において「生きづらさ」を感じるほどなので困るのです。

 

発達障害は治らないのか―わが子から学んだこと

私の子どもも発達障害の疑いがあります。
つまり、グレーゾーンです。

 

  • 何度言っても同じ間違いをする。
  • こだわりが強く、感情のコントロールがなかなか効かない。
  • 気持ちの切り替えが苦手。
  • 忘れ物は果てしなく多い。

 

など、誰でもあることだけれども、その頻度が多すぎるのです。

 

ですが、短所ばかりではなく長所をみてみると、

 

  • 知識欲が旺盛で、調べたり(関心のある物事に限りますが)覚えたりすることが好き。
  • 常識にとらわれないユニークな発想をもっている。
  • 自分の信じることを貫けるマイペースさ。

 

など、良い面もたくさんあることに気づきます。

 

私は、発達障害は「治す」のではなく「生かす」ものなのだと、わが子を育てる中で学びました。

 

 

まとめ

『発達障害』とひとくちにいっても、その特徴や表れ方は様々です。

 

それぞれの特徴にあった工夫をして、「生きづらさ」を軽減していくことが大事なのです。

 

苦手なものは何らかのサポートを、得意なものは最大限に伸ばしていく。

 

発達障害であってもそうじゃなくても、それは同じですね。

 

グレーゾーンも含め発達障害を持つ人には、特に家族や身近な人たちの理解が必要です。

根気よく適切なサポートを続けていくことが、お互いにとってより良い未来へと繋がっていくのです。